水環境保全部門

 

<目標>

フィールド科学に基づく流域圏の環境と生態系の保全

<概要>

河川や湖沼、沿岸海域などの水環境やその生物・生態系等に関する現象とメカニズムの解明を目指した研究を行います。水圏の環境や生物・生態系の保全・再生、生物多様性への影響評価に資するフィールド調査・分析、環境計測、モニタリングを行います。さらに、水環境の保全・再生に資する管理・制御技術の構築にも取り組みます。

<部門紹介>

近年、淡水資源の枯渇や水質悪化が世界的な問題となる中、持続可能な水環境の保全と利用の両立が重要課題となっています。こうした課題に対する方策を検討する上で、実際のフィールドでの調査・分析・モニタリングに基づく環境評価が求められます。水環境保全部門では、水環境学、湖沼学、生態学、魚類学、地質学、海洋学、空間情報学などさまざまな分野に基づく研究を展開しています。水環境や生態系に関する現象やメカニズムを明らかにするとともに、その保全と再生に資する研究を推進します。

図1

水環境保全部門では、霞ヶ浦に隣接する臨湖実験所である水圏環境フィールドステーション(水圏FS)の運営および研究・教育活動も行っております。水圏FSは、2013年(平成25年)に臨湖実験所として全国で初めて文部科学省教育関係共同利用拠点として認定されました。霞ヶ浦は人間活動による水質悪化や外来種の侵入などの深刻な水環境問題に直面していながら、首都圏の利水・治水の機能、漁業資源、生物多様性、レクリエーションなどの豊かな生態系サービスを有しています。水圏FSでは、これまでの水質の変化や環境負荷の動態、流動や堆積物、底生生物、魚類、福島第一原発事故に由来する放射性物質などの豊富なデータを蓄積しています。湖沼環境・生態系と人との関わりを多角的に理解し、湖沼の健全な利用を目指した教育・研究を展開していくうえで霞ヶ浦は絶好のフィールドであり、実践的な教育の場として位置付けられたことが拠点認定の背景となっています。

水圏FSでは、公開臨湖実習や共同利用実習、共同研究利用を通して、本学に限らず全国の大学の学生を受け入れ、フィールド実践教育を行っております。水圏FSにおけるフィールド実践教育では、これまでの霞ヶ浦での蓄積データ及び湖沼、水産、防災などに関連する地域資源を有効活用しながら、水環境問題を抱える現場での実感を養うことを目的としています。教育内容としては、環境調査や水生生物調査をはじめ、生物多様性の保全、水資源・湖沼流域の環境管理・地域防災など、幅広いテーマを扱っています。公開臨湖実習プログラムでは、生物系、地質系、物理・化学系実習の基礎から応用編まで幅広く展開しています。また、水圏FSは、小中高等学校の生徒や企業、市民の皆様の研修などにもご利用いただいています.水環境・湖沼環境について実際に触れて学べる貴重な場を、今後も提供していきたいと考えています。

 

~学生へ向けて~

水環境保全部門の専任・兼務教員は、水環境に関する授業や実習を担当しています。授業アンケートなどを見ますと湖沼・河川の外来種、生物多様性の保全、水質悪化などの水環境問題に興味を持っている学生が多くいることが分かりました。私達はそのような学生に対して、次の人材を育てていきたいと考えています。①水環境の基礎から応用までを身につけた人、②湖沼環境問題や地域防災に対応できる人、③湖沼生態系保全・環境教育を担える人、および④地球・地域規模による環境改変が湖沼生態系に及ぼす影響評価とその解決策の提案ができる人。

 

山口 直文■■■■
(水環境保全部門長)■■