茨城大学は、ベトナムのハノイに開校した日越大学(VNU Vietnam Japan University、略称:VJU)の修士課程気候変動・開発プログラム(Master’s program in Climate Change and Development、略称:MCCD)の幹事大学となっています。日越大学は、日本とベトナム両国政府の合意および国際協力機構(JICA)の支援によって、2016年9月に修士課程6プログラムで開講した大学で、日本の複数の大学が参加・協力しています。
茨城大学は、GLEC前身の旧ICAS(地球変動適応科学研究機関)を中心に、東南アジアなどをフィールドとした気候変動及び適応策についての教育・研究に長年取り組んできた実績から、MCCDプログラムの幹事大学を務めることになりました。2016年5月のJICAとの契約締結後、茨城大学は日越大学と協力のもと、MCCDプログラムの設立準備を本格的に進め、2018年9月に日越大学の7番目のプログラムとして開始がされました。MCCDプログラムの開講に伴って、茨城大学と日越大学は今後の教育・研究に係る連携強化を確認し、交流協定(MOU)を締結しています。
2019年9月にはグローバルリーダーシッププログラム(略称:MGL)が加わり、現在、日越大学では以下の修士課程8プログラムが開講されています。
- 地域研究(MAS):東京大学
- 公共政策(MPP):筑波大学
- 企業管理(MBA):横浜国立大学
- 環境工学(MEE):東京大学・立命館大学
- ナノテクノロジー(MNT):大阪大学
- 社会基盤(MIE):東京大学
- 気候変動・開発(MCCD):茨城大学
- グローバルリーダーシップ(MGL):早稲田大学
各プログラムの修士課程では、日本とベトナムの教員が英語で最先端の講義、実習、研究を行っており、修士2年次では日本に滞在してインターンシップや修士研究を経験できることが日越大学の特徴となっています。
近年、ベトナム政府は産業の高度化を担う国際的な人材育成の体制整備を急いでおり、日越大学以外にもフランスやドイツの協力による国際大学がそれぞれ設立されています。日越大学はベトナムにおける国際的な人材育成をさらに進展させるべく、ベトナム国家大学ハノイ校(Vietnam National University, Hanoi、略称:VNU)のメンバー大学として2014年に設立が承認されました。開校当初は修士課程のみの大学でしたが、2020年からは学士課程も開講されています。日越大学には、ベトナムにとどまらず広くアジア各国から学生を受け入れて、持続可能な発展を担う優れた人材の育成が期待されています。