茨城大学
地球・地域環境共創機構長
戸嶋 浩明
茨城大学地球・地域環境共創機構(Global and Local Environment Co-creation Institute: GLEC)」は、広域水圏環境科学教育研究センター(CWES: 1956年に涸沼臨湖実験所として設立)と地球変動適応科学研究機関(ICAS: 2006年に設立)を組織統合すると共に全学的協力の下に拡大し「環境科学の世界的研究拠点を構築する」ことを目標として2020年4月に設立されました。
前身の両組織は2015年の国連サミットにおいてSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択され、世界的にSDGsの重要性と直面する環境問題への問題意識が高まる以前からSDGsに対して先駆的に取り組んできた歴史があります。このような土台の上に前身の2組織を流域圏環境部門および気候変動対応部門として、新たに農業・生態系環境適応部門および人間・社会経済部門を加え合計4部門とすることで、地球環境及び地域環境を対象にしたフィールド科学から予測・政策科学を含む総合的な研究を推進することを目指します。環境問題の解決を目指して、持続的な環境の共創に関する教育研究や社会連携の機能強化を図る環境分野の世界的研究拠点を構築します。
GLECは環境問題に関わる文理融合および分野横断すなわち共創による研究成果を生み出すプラットフォーム機能を果たします。また、これまでの蓄積と最新の研究成果取り入れた教育を全学的協力の下に展開します。世の中に環境と名の付く単語は身近にあふれており、すべての人にとって環境問題とSDGsは何かしらの関係があります。一個人の持っている問題意識・課題へのアプローチには限界があるかもしれませんが、その問題意識・課題を多様なバックグラウンドを持つ人と共有することで様々な解決方法を生みだすことが可能と考えられます。個人で異なる問題意識・課題をもっていたことが実は同じ問題につながっていることもあり得ます。GLECで共創された成果(政策提言や新技術開発)を発信してしていきたいと思います。