工学部都市システム工学科と ICASが地盤工学会関東支部平成30年度技術賞を共同受賞しました。
国交省常陸河川国道事務所、㈱建設技術研究所および茨城大学が共同でかかわった「粘性土地盤上の河川堤防と近傍家屋の地震時変状対応技術」に対して、地盤工学会関東支部平成30年度技術賞が授与されました。経緯は以下の通りです。
2011年の東北太平洋沖地震直後に県内の久慈川河川堤防の一部が大きな変状を起こしました。国交省は近隣に家屋があることを考慮して、直ちに、堤防の一部撤去(6.0 m から4.5 m へ)、堤防と家屋の遮断のための鋼矢板打設そして堤防の再構築という今までに例のない対応策を講じるとともに、直後から(株)建設技術研究所に地盤調査及び堤防と家屋の変状のモニタリング、茨城大学(理工学研究科工学野・沼尾達弥教授とICAS・安原一哉特命研究員;肩書は2019年3月末当時)に対してはモニタリング結果の解釈と対策工法の妥当性の判断を依頼しました。その後、横木裕宗教授(理工学研究科工学野)を委員長とした検討委員会が開かれ、その結果を踏まえた学会発表等が行なわれ、2016年3月には家屋に対する震災対応の成功事例として認知されるに至りました。
2019年2月の地盤工学会審査委員会でのプレゼンの際には多くの質問が出されたものの、最終的には「国際的にも例のない震災対応成功事例である」という高い評価を戴き、受賞に至りました。個人ではなく、連携して技術開発を行ってきた官産学の各機関が授賞対象になった点に意義があると思われます。文字通り、チームワークの成果と言えるでしょう。
2019年4月26日 授賞式の風景。
左から地盤工学会関東支部長安田進氏、建設技術研究所水工部長 楊雪松氏、ICAS安原一哉特命研究員・名誉教授、国交省常陸河川国道事務所副所長 桑原智男氏