日本沿岸域における海面上昇の気候変動影響予測および適応策を評価した論文が公開されました。本論文は、環境研究総合推進費S-18の成果の一部です。
本論文ではまず21世紀末までの日本の沿岸域における海面上昇の浸水影響(潜在的浸水面積、影響人口、被害額)を計算しています。沿岸域の気候変動適応策は、防護、順応、移転(撤退)に大きく分類されます。そこで本論文は、防護、移転に掛かる将来の適応費用を統一的な方法で推計しました。その結果、日本全体では移転費用が防護費用よりも高くなることが明らかとなりました。しかし、都市や地方によってはその大小関係も変わるため、地域毎の実情に応じた適応策を検討することの重要性も指摘しています。